IBM 現場SEのITな日々

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(鈴木)xCAT管理ノードのインストール手順

鈴木です。
前回に続き、今回は、xCATのインストール手順について紹介していきます。

6h324.hatenablog.com
基本的には以下のリンクのとおりなのですが、とっつきにく部分があったり、そもそも英語は読みたくないって方も多いかと思います。

http://xcat-docs.readthedocs.io/en/stable/

そこで本記事では、事前準備からインストール後の初期動作確認までを日本語で紹介するので、興味のある方はぜひトレースしてみてください。

1.本環境の概要

まずは今回のシステム環境について。
今回はxCATのコマンドを発行する「xCAT管理ノード」がインターネットに接続されていない前提で話を進めます。
「xCAT管理ノード」は、インターネットに接続されていないため、xCATインストールモジュールは別途用意するリポジトリサーバ経由でインストールすることにします。

f:id:users-6h324:20170728095113j:plain

また、今回紹介する記事では以下のHW, SW構成で話を進めます。

f:id:users-6h324:20170728094830p:plain

2.リポジトリサーバ準備

今回は、サーバがインターネットに接続されていないケースを想定しているので、xCATモジュール置き場としてリポジトリサーバを準備します。
リポジトリサーバを別途立てるのは面倒くさい、という場合は、xCAT管理ノードと同一OS上に構成しても問題ありません)
まずは、リポジトリサーバに必要なパッケージをインストールするために、リポジトリサーバ自身(ホスト名:repo01)でyumが使えるようにしておきます。
今回は、RHEL7.2のOSイメージを、/nim/RHEL_7.2/Server配下にコピーしておきます。

RHEL7.2用リポジトリファイルを作成
[root@repo01 ~]# vi /etc/yum.repos.d/server.repo
[Server]
name=RHEL7_Base
baseurl=file:///nim/RHEL_7.2/Server
enabled=1


[root@repo01 ~]# ls /etc/yum.repos.d
rhel-source.repo server.repo

リポジトリを初期化
[root@repo01 ~]# yum clean all

これでリポジトリサーバ自身(ホスト名:repo01)でyumを使ってRHEL7.2 OSパッケージをインストールできるようになります。
さっそく、リポジトリサーバに必要なパッケージを以下のとおりインストールしていきます。

[root@repo01 ~]# yum install createrepo

[root@repo01 ~]# yum install httpd

再起動時にhttpd自動起動するように設定しておきましょう。
[root@repo01 ~]# systemctl enable httpd

httpdを起動します。
[root@repo01 ~]# systemctl start httpd

念のため、リポジトリサーバ(ホスト名:repo01)と同じNWセグメントからブラウザ上で以下のURLにアクセスできるか確認しておきましょう。

http://リポジトリサーバのIPアドレス/

 

Apacheのデフォルトの公開ディレクトリは「/var/www/html/」なので、xCATインストールモジュール配置用に以下のようなディレクトリを作っておきます。

/var/www/html/yum/x86_64/xCAT

改めて、以下のURLにアクセスすると公開ディレクトリが見えるようになっています。

http://リポジトリサーバのIPアドレス/yum/

 

f:id:users-6h324:20170728111023p:plain

次に以下のサイトでダウンロードしておいたxCATのインストールモジュールを先ほど作っておいた/var/www/html/yum/x86_64/xCATに配置しましょう。

(DLサイトトップ)
https://xcat.org/download.html

[root@repo01 xCAT]# ls -ltr
total 8
drwxrwxr-x 16 root root 4096 Mar 16 01:50 xcat-dep
drwxrwxr-x  2 root root 4096 Mar 16 01:50 xcat-core

ついでに、最初に使った/nim/RHEL_7.2/Server配下のOSイメージも、公開ディレクトリに置いておくと他サーバからもyum installできるようになるので便利です。
私の場合は、/nim/RHEL_7.2/Server配下のOSイメージを/var/www/html/yum/x86_64/RHEL72配下にコピーしておきました。


rpmパッケージが配置されているディレクトリ上にリポジトリファイルがない場合はyum install時失敗してしまうので、createrepoしておきましょう。

(例)
[root@repo01 ~]# createrepo --simple-md-filenames /var/www/html/yum/x86_64/RHEL72

3.xCAT管理ノード準備

リポジトリサーバの準備が整ったので、さっそくxCAT管理ノード(ホスト名:xcat01)上でxCATインストールしていきます。

まずは事前準備としてリポジトリの設定を行います。
今回は、リポジトリサーバ上のRHEL7.2のOSパッケージ、xcat-core、xcat-depに対してyum installできるように設定しておきます。

RHEL7.2 OSパッケージ用リポジトリ定義

[root@repo01 ~]# vi /etc/yum.repos.d/server.repo
[Server]
name=RHEL7_Base
baseurl=http://リポジトリサーバのIPアドレス/yum/x86_64/xCAT/RHEL72/Server
gpgcheck=0
enabled=1

 xcat-core、xcat-depに対してもyum installできるように以下のようにリポジトリ定義しておきます。

[root@xcat01 ~]# vi /etc/yum.repos.d/xcat2core.repo
[xcat-2-core]
name=xCAT 2 Core packages
baseurl=http://リポジトリサーバのIPアドレス/yum/x86_64/xCAT/xcat-core
gpgcheck=0
enabled=1

[root@xcat01 ~]# vi /etc/yum.repos.d/xcat2dep.repo
[xcat-dep]
name=xCAT 2 depedencies
baseurl=http://リポジトリサーバのIPアドレス/yum/x86_64/xCAT/xcat-dep/rh7/x86_64
gpgcheck=0
enabled=1

リポジトリを初期化
[root@xcat01 ~]# yum clean all

ここまでくれば、あとはインストールするだけ。yum installコマンドを実行してxCATをインストールしちゃいましょう。

[root@xcat01 ~]# yum install xCAT

4. xCAT管理ノード初期動作確認

xCATのインストールが完了したら、以下の要領で初期動作確認を行います。

1.パスを追加
[root@xcat01 ~]# source /etc/profile.d/xcat.sh

2.バージョン確認
[root@xcat01 ~]# lsxcatd -a

3.xCAT用DB初期化
[root@xcat01 ~]# tabdump site

4.起動、停止の動作確認
[root@xcat01 ~]# systemctl start xcatd
[root@xcat01 ~]# systemctl stop xcatd

※起動停止ステータス状況の確認は、以下で確認します。
[root@xcat01 ~]# systemctl status xcatd

ついでに、特に問題ない場合はxcatdがOS起動時に自動起動するように設定しておきましょう。
(xcatはchkconfigから変更する)
[root@xcat01 ~]# chkconfig xcatd on
[root@xcat01 ~]# chkconfig xcatd --list

いかがでしたでしょうか。今回はxCAT管理ノードのインストール手順について紹介しました。
一見、取っ付きにくそうなxCATですが、インストール手順はいたってシンプルなものです。
ぜひ、これを機会に試してみてはいかがでしょうか。

鈴木
2008年にIBMに入社。
長くエンタープライズのお客様を複数担当。最近はHPC分野を経て金融のお客様を担当。
Unix/Linux系がメインスキル。
最近は、InfinibandやOSS(Zabbix, xCATなど)など社内スキル保有者が少ないレアキャラを目指して活動中。

夜は焼鳥の匂いに誘われて焼酎1杯だけ立ち飲みして帰る純情派のインフラSE。
焼鳥の味付けは塩。